介護保険情報第9回目は・・・・
サラリーマンが退職した場合
光一さんの友人の佐々木健二さん(45歳)が会社を退職しました。家族は専業主婦の妻佳子さんと高校生の長男です。これまで健二さんの給与から天引きされていた介護保険料は、健二さんが退職後どうなるのでしょう。
佳子さん
主人、次の仕事が中々みつからないの。収入がないので介護保険料は払わなくていいのかしら?
光一さん
会社の総務係に聞いたら、収入がなくても医療分に合わせて介護の保険料は払う必要があるそうですよ。
ゆり子さん
会社を退職したときの介護保険について、年金事務所や市役所などで尋ねてみたらどうかしら。一緒に調べてみましょうよ、佳子さん。
ゆり子さんと佳子さんは、介護保険の保険料について市役所や年金事務所に行き調べてみました。その結果、退職後も健康保険または国保に加入して医療分に合わせ介護の保険料を納付する必要があることがわかりました。退職後の主な加入先は次の2つ、加入先で保険料が異なることも分かりました。
(1)もとの会社の健康保険に継続して加入する(任意継続被保険者)
(2)地域の国民健康保険(国保)に加入する
佐々木健二さん (45歳) の場合(協会けんぽ)
退職前の年収600万円(標準報酬月額38万円・賞与72万円×2回)
妻 佳子さん(42歳・専業主婦) 太郎さん(17歳) |
会社に在職中の年間介護保険料は45,000円
在職中の介護保険料は、給与などの収入に保険料率をかけた総額を事業主と被保険で2分の1ずつ負担します。
標準報酬月額 | 380,000円×1.5%×1/2×12月=34,200円 |
---|---|
賞与 | 720,000円×1.5%×1/2×2回=10,800円 |
計45,000円 |
任意継続被保険者の年間介護保険料は50,400円
もとの会社の健康保険に継続して加入した場合の保険料は全額自己負担です。退職時の標準報酬月額と28万円(平成23年2月現在)を比べ低い額に保険料率をかけて計算します。任意継続被保険者は退職日の翌日から20日以内の手続きが必要です。
退職時の標準報酬月額 | 380,000円>280,000円 | |
---|---|---|
280,000円×1.5%×12月 | =50,400円 |
国保に加入した場合の年間介護保険料は70,200円
(都内F市の場合)
国保の介護保険料は前年の所得を基に計算します。市町村で計算の方法が異なります。
所得 |
=年収600万円-給与所得控除(600万円×20%+54万円)=426万円 426万円-基礎控除額33万円=393万円 |
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所得割額 | =3,930,000円×1.3%=51,090円 →51,000円 (100円未満切捨て) |
均等割額 | =9,600円×2人=19,200円 |
計70,200円 |
健二さんの場合、以前の会社の健康保険に継続して加入(任意継続被保険者)した方が、 介護保険料が安いことがわかりました。もちろん、介護分だけでなく医療分を含めた保険料の検討が必要です。
退職後の健康保険加入のポイント
健二さん
どの健康保険に加入するかで介護保険などの保険料が決まるのか。
佳子さん
ウーン。加入先で保険料がかなり違うのがわかるわね。ところで、健康保険からもらえる高額療養費は皆同じなのかしら?
健二さん
そうだね。支払う保険料だけでなく、給付内容も調べてみる必要がありそうだね。
佳子さん
新聞に載っていたけど、離職した人の国保の保険料が安くなる制度もできたそうよ。あなたの場合、該当するのかしら。
健二さん
話していると疑問が一杯でてくるね。ついでにこれから加入する年金のことも聞いておく必要がありそうだね。
佳子さん
落ち込んでいる暇なんてなさそうね。
明日は、2人で年金事務所と市役所めぐりをしましょうね~
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